メディア掲載  財政・社会保障制度  2017.03.16

厚生労働省新HTA 制度 第1回 「費用対効果」評価の試行的導入

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス Vol.48 No.2 (2017) に掲載

 2012年5月より始まった厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)の費用対効果評価専門部会による医療技術評価(HTA)導入の検討は、4年間の審議を経た結果、2016年4月よりの試行的導入に至った。

 その背景には、医療を取り巻く社会経済的な環境の大きな変化がある。たとえば、少子高齢化社会の進行、国民医療費の高騰、特に10年前からの高額療養費の増加、医療技術の高度化、高額な革新的医療の登場(個別化医療/分子標的薬や再生医療)、医療情報システムの進化などがある。そのような変化により、医療の社会システムが破綻するのではないかとの懸念が高まっている。そのため、皆保険制度を持続可能なものとするには、どのようにして効率的な医療資源の配分を実現すればよいかが社会的な課題となってきた。

 その対応策として注目されるようになったのがHTAである。それは、「医療技術の適用に関する医学的、社会的、経済的、及び倫理的問題についての情報を、系統的で透明、かつ、偏りのない頑健な方法で要約する学際的な一連の過程」を意味する。その目的は、安全かつ有効で患者本位な医療政策立案のための情報提供と、それを通しての最善の価値の実現にある。・・・


<医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団より許可を得て医薬品医療機器レギュラトリーサイエンスVol.48,No.2,p.82-88(2017)より転載。同機構への許可なく無断で記事転載を禁じる。>

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