ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2016.04.28

ワーキング・ペーパー(16-005E) 「Income distribution in prewar Japan」

本稿はワーキング・ペーパーです

 本論文では、戦前の日本に焦点を当てて、所得分配に関する文献をサーベイした。個人間の所得分配に関して、戦前の日本社会が大きな所得格差を伴う社会であったこと、所得格差が時間の経過とともに拡大して行ったことがこれまでの研究によって明らかにされている。こうした事実は、資本分配率が高く、かつ上昇傾向を持っていたという、所得の機能的分配に関する研究結果と整合している。文献サーベイに加えて、この論文では、新しいデータ・セットに基づいて、個人別の資産分配と所得分配の関係を検討した。その結果、所得が最上位のグループは所得の多くを資産収入から得ていたことを示唆する結果が得られた。