ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2016.04.13
この論文では1960年代に生じた産業政策レジームの変化について体系的な評価を行った。分析にあたっては1960-1969年の製造業227産業に関するパネルデータを使用した。1960年代前半に行われた外貨割当制度の廃止(「貿易自由化」)によって、同制度による事実上の貿易数量制限が撤廃された。このレジーム変化は、産出、事業所当たり産出と雇用に有意にマイナスの影響を与えたが、産出と雇用に対するマイナス効果は保護関税によって緩和された。一方で、事実上の貿易数量制限撤廃も保護関税も生産性の上昇にはプラスの効果を与えなかった。その意味で1960年代における産業政策レジーム変化の効果は限定的であったといえる。
Assessing the Effects of Japanese Industrial Policy Change during the 1960s(英語) (PDF:644KB)