日本は日本人労働者の力を借りて、戦後目覚ましい経済成長を達成し80年代末には米国にほぼ追いついた。しかし90年代以降、2つの課題が原因で日本は経済的基盤を失った。第一に日本経済が大幅に減速し、第二にグローバル化と資本の深化を受けて、競合国や近隣諸国が大きな発展を遂げた。
他方で日本は、今後予想される労働年齢人口の減少を抑えるべく労働者確保に取り組む中で、重大な岐路に急速に近づきつつある。国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の人口は2060年までに4000万人以上減少する。長期的に見ると、労働人口の減少はさらに顕著である。日本の労働人口は、2014年の約6400万人から2100年には2000万人近くに減少すると見込まれる。加えて高齢化に伴う公的支出の大幅増が予想される結果、現行の政策に基づき持続可能性を実現するには、過去に例のない財政調整が必要になるだろう。
労働者が増えれば、生産する財・サービスや税収が増大し、財政の持続可能性の実現に寄与するだろう。日本は男性の労働参加率が世界で最も高い国のひとつであるため、さらなる労働力の供給源は(i)若い世代の日本人労働者を生みだすための出生率改善、(ii)女性の労働参加率向上及び/または労働の効率単位の向上、(iii)外国人労働者に求めるしかない。
労働人口を増やすひとつの手段は、外国人労働者受け入れ政策の導入である。実際、政府は2014年初めに、今後10年間に年間20万人、最終的には合計約200万人の外国人労働者受け入れを目指すプログラムを検討すると発表した。こうした外国人労働者受け入れプログラムで、財政問題を解決できるだろうか?