メディア掲載  財政・社会保障制度  2015.05.12

非営利ホールディングカンパニーで地域のセーフティーネットを構築

日本医療企画「クリニックばんぶう」2015年5月号掲載

昨年閣議決定された「日本再興戦略」改訂2014においてその創設に向けた検討が求められていた非営利ホールディングカンパニー型法人。わかりにくいとの指摘もなされてきたが、2月に行われた厚生労働省の検討会で「地域医療連携推進法人(仮称)」として設立されることが決定した。「診療所には関係のない話」と思っている方も多いだろうが、本当に影響はないのか。開業医はこれをどう捉え、どのようにかかわっていくべきだろうか。非営利ホールディングカンパニー型法人の提唱者である、一般社団法人キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹に聞いた。


法人格を持っていない国公立病院も新型法人のメンバーに

 今年2月、厚生労働省の「医療法人の事業展開等に関する検討会」で「地域医療連携推進法人制度(仮称)の創設及び医療法人制度の見直しについて」の取りまとめが行われました。かねてより議論されてきた「非営利ホールディングカンパニー型法人」は「地域医療連携推進法人(仮称)」(以下、新型法人)というかたちで決着がつきましたが、これについてどのように評価されているかを教えてください。

 昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2014のなかで「複数の医療法人や社会福祉法人等を社員総会等を通じて統括し、一体的な経営を可能とする『非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)』を創設する」との文言が盛り込まれたことを受けて厚生労働省での検討が始まったのですが、そもそも私は当初から「持ち分あり医療法人」を地域単位でグループ化していくという方針に反対していました。・・・


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