レポート 外交・安全保障 2012.04.10
今回の政策シミュレーションでは、東アジア地域において起こり得る緊急事態の際、サイバー空間を利用した攻撃が実施される可能性が高いことが改めて認識された。特に、重要な教訓として以下の3点が挙げられる。
①サイバー戦は明確な軍事目的を持った作戦計画の初期段階であることが多い。サイバー攻撃が国際法上の「武力攻撃」に該当し、国家による自衛権発動の対象となる可能性を真剣に検討する必要がある。
②サイバー戦は長期の周到な準備がなければ実行できず、外部のサイバー攻撃根拠地・発生源に対し直ちにかつ正確に反撃することは事実上不可能である。サイバー戦は既に日々戦われており、国家戦略の確立と予算増額、人材育成を早急に進める必要がある。
③サイバー戦では攻撃と被害の発生をリアルタイムで認識することが難しい。当然、政策決定者の意思決定モードを平時から有事に切り替えるタイミングも遅れる。サイバー戦専門の情報分析能力を強化して、有事対応への移行を迅速化する必要がある。・・・・