2011年10月8日に開催された「社会保障改革と同時改定シンポジウム」(主催:保健・医療・福祉サービス研究会)にて当研究所の研究主幹、松山幸弘が講演しました。
本年6月我が国の「社会保障と税の一体改革成案」が報告された。内容は、進展する少子高齢社会における社会保障サービスの提供体制の改革と共に財源確保に向けた消費税増税を柱とする税制等の改革である。特に社会保障改革のシナリオでの改革実行の第一弾として、2012年診療・介護報酬同時改定が位置づけられていることから本シンポジウムが開催となったものである。
第1席目の講演では、医療福祉の産業化で日本経済の潜在成長力を高める研究で注目を集めるキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の松山幸弘氏が講演。冒頭、我が国の財政危機について触れ、イギリスのエコノミスト誌に掲載された記事を紹介しながら、世界で言われる「日本病」について解説。次に、一般政府債務残高の名目GDPに対する割合の国際比較のグラフを示しながら、日本は、既に200%超え、2016年時点で250%におよび、財政危機が叫ばれるギリシアですら、2016年の予測でも145%であり、日本は、2016年時点で、危機の臨界点に到達する可能性を指摘した。次に、日本再生の必須条件として、1990年以降悪化し続けている医薬品・医療機器の対外収支赤字の奪還を訴えると共に、今後、医療・介護におけるメガ非営利医療福祉事業体の創設による提供体制のイノベーションが経済成長を可能にするとした。・・・