メディア掲載  財政・社会保障制度  2011.10.07

医療改革の方向について

JMC NEWS(全医協連ニュース)No.122(2011年9月)に掲載

 社会保障制度の2本柱は医療(本稿では介護も含む)と年金である。両者の決定的違いは、医療には経済成長のエンジンになる可能性があるが年金にはない点である。その意味で平成23年度経済財政白書が「産業としての社会保障」と題して、医療・福祉産業と経済成長の関係を分析していることが注目される。
 同白書は、日、米、英、独、仏、スウェーデンの6カ国を比較した上で「労働投入量の拡大に偏った付加価値の増加が我が国医療・福祉産業の特徴」と、医療・福祉分野で働く人々の生産性上昇率が低いことが問題と指摘。その上で、「我が国の医療・福祉産業の雇用誘発効果は、他の先進国に比べて産業平均からかい離が大きくないことも分かる。国内の他産業に比べれば、医療・福祉産業の雇用誘発効果は高いものの、まだ伸びる余地があるかもしれない。例えば、医療・福祉産業において、イノベーション等を通じて生産性を高めることで持続的な成長を実現できれば、これまで以上に成長と雇用拡大を両立させることが可能かもしれない。」(経済白書から抜粋)と分析している。つまり、イノベーションしだいでわが国でも医療を経済成長の牽引車にできると言っているのである。・・・


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「医療改革の方向について」(JMC NEWS No.122)