■社会貢献度、高齢者施設運営で低い傾向
また松山研究主幹は、東京都が公開する社会福祉法人の財務状況を基に、各法人の社会への貢献度を推し量る「社会還元度指数」も算出した。毎年の支出を純資産で割った数値で、「この数値が高いほど、収益の社会還元に積極的と判断できる」(松山研究主幹)という。
松山研究主幹は各法人の社会還元度指数を個別に算出した上で、運営する施設ごとに法人を分類。それぞれの指数の平均値を割り出した。
その結果、保育所を運営する社会福祉法人では0.67、障害者施設を運営する社会福祉法人では0.69、病院を含む複数の事業を運営する社会福祉法人では0.93だった。その一方で、高齢者施設を運営する社会福祉法人では0.37にとどまった。高齢者施設を運営する社会福祉法人では、社会還元度指数が0.4未満の法人が約半分に達したという。
松山研究主幹は、「高齢者施設を運営する社会福祉法人の中にも、指数が1以上の法人もあれば、他の施設を運営する法人の中にも、0.4未満の例もある。高齢者施設を運営する法人のすべてが社会貢献をしていないというわけではない。ただ、この値が低い法人については、利益を社会に還元するため、一層の努力が必要」と話している。
【2011年8月18日 株式会社キャリアブレイン 医療介護CB NEWSに掲載】