コラム  国際交流  2009.11.26

中国マクロ経済、上海市・山東省地域経済動向「中国経済の当面の注目点は来年前半の物価上昇リスクへの政策対応」

 <報告の主なポイント>
○    中国経済は4~6月以降、高度成長軌道への復帰が明確となっており、来年も本年を上回る高い成長率の確保がほぼ確実と見られている。そうした先行き見通しの下、今後の最大の政策課題は来年のインフレ再燃リスクである。

○    沿海部主要都市の中で最も景気回復が遅れていた上海経済も回復傾向が明らかとなった。先行きについては大虹橋商務区プロジェクトによる産業集積形成促進が上海万博後の新たな上海経済の牽引役として注目され始めている。

○    中国進出後、これまで輸出に重点を置いていた多くの日本企業が中国の国内市場における販路拡大へと業務展開の重点をシフトしつつある。そうした日系企業が中国国内市場を開拓しようとする際の最大の悩みは売掛金の回収が難しいことであると言われている。

○    山東省では2003年12月以降、「山東半島都市群総合プロジェクト」に基づいて、済南、青島、煙台等主要8市を中心に地域経済の開発を促進してきている。山東半島は環渤海経済圏から見れば地理的にはずれの位置にあるほか、韓国、日本との距離が近いこともあって、両国企業の直接投資進出も多く、環渤海経済圏よりむしろ日韓両国経済との協力関係強化を強く意識する傾向がある。

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中国マクロ経済、上海市・山東省地域経済動向「中国経済の当面の注目点は来年前半の物価上昇リスクへの政策対応」<上海・済南・北京出張報告 (2009年10月21日~28日)>