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地域医療経営のガバナンスの国際比較(第4回)英国
コラム 財政・社会保障制度 2009.11.02
地域医療経営のガバナンスの国際比較(第4回)英国
Monthly IHEP 2009 10月号No.180
松山 幸弘
研究主幹
はじめに
英国は、第1回で解説したカナダと同様に医療財源確保と医療提供体制が共に公的制度中心の国である。図表1のとおり、2007年における医療財源の81.7%が政府一般税収であり、医療費増加は国の歳出増に直結する。そのため、サッチャー、メージャーと18年間続いた保守党政権下では医療費抑制策がとられた。その結果、1997年時点で医療費が名目GDPに占める割合は6.6%とわが国の5.7%に次いで先進諸国中最低レベルにとどまり、患者待機期間の長期化に象徴される医療崩壊を招いた。
そこで、1997年5月に誕生した労働党ブレア政権が医療費増加政策を打ち出したことは、周知のとおりである。1997年~2007年の10年間における医療費平均増加率は7.9%であり、医療費が名目GDPに占める割合も8.4%にまで高まった。この間、地域医療経営のガバナンスについても改革が進められた。
英国は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドから構成されており、その医療行政もこの4地方に区分され運営されている。このうちイングランドの人口は5,145万人(2008年6月現在)と総人口6,138万人の84%を占める。したがって、英国の医療制度を知るためには、イングランドで実施されているNational Health Service(国民保健サービス:以下NHSと略す)の仕組みを理解することが重要である。
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地域医療経営のガバナンスの国際比較(第4回)英国
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