コラム 国際交流 2009.08.03
一国の外交政策・経済政策であれ、一企業の経営戦略であれ、「情報」は意思決定者が受け入れる真摯な態度を示してこそ初めて生きてくる。確かに「情報」が氾濫する現在、「情報の収集・選別」は非常に煩雑で難しい。しかしその体系的・効率的作業なくしては「大禍」を避けきれないのが世の常だ。昨年春から1年間本校で研究された早稲田大学の山本武彦教授は、近著『安全保障政策』(2009年3月)の中で、米国の政策決定者が事前の「情報」を軽視した結果招いた「大禍」―1941年の帝国海軍による真珠湾奇襲や2001年に米国を襲った「9・11」―を挙げ、「政策決定者のインテリジェンス情報に対する不断の感受性(receptivity)が求められている」と述べられている。・・・・