コラム  国際交流  2009.08.03

「ケンブリッジ・ガゼット:グローバル戦略編」第4号(2009年8月)

小誌は大量の資料を網羅的かつ詳細に報告するものではない。ハーバードにいる一研究者である筆者が接した情報や文献を①マクロ経済、②資源・エネルギー、環境、③外交・安全保障の分野に関し整理したものである。紙面や時間の制約に加えて筆者の限られた能力という問題は有るが、小誌が少しでも役立つことを心から願っている。

一国の外交政策・経済政策であれ、一企業の経営戦略であれ、「情報」は意思決定者が受け入れる真摯な態度を示してこそ初めて生きてくる。確かに「情報」が氾濫する現在、「情報の収集・選別」は非常に煩雑で難しい。しかしその体系的・効率的作業なくしては「大禍」を避けきれないのが世の常だ。昨年春から1年間本校で研究された早稲田大学の山本武彦教授は、近著『安全保障政策』(2009年3月)の中で、米国の政策決定者が事前の「情報」を軽視した結果招いた「大禍」―1941年の帝国海軍による真珠湾奇襲や2001年に米国を襲った「9・11」―を挙げ、「政策決定者のインテリジェンス情報に対する不断の感受性(receptivity)が求められている」と述べられている。・・・・

 

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「ケンブリッジ・ガゼット:グローバル戦略編」第4号(2009年8月)