コラム  財政・社会保障制度  2009.07.01

税源移譲による個人住民税の滞納増加とその対応策

 三位一体改革による所得税から個人住民税への3 兆円の税源移譲が平成19 年度からスタートした。税源移譲によって、自治体の自主財源は拡大したが、その一方で滞納増加の可能性も増えたことになる。これまで自治体の財政は国が徴収した税金からの移転に頼ってきた面が強い。地方分権の実現には自主財源は必要不可欠であるが、税源移譲後に個人住民税の滞納が増えるのではないかと筆者だけでなく自治体職員の間でも懸念されてきたが、予想どおりの結果となった。平成14 年度以降減少傾向にあった地方税の滞納は、税源移譲がスタートした平成19 年度に再び増加した。その原因は個人住民税の滞納が1300 億円増加したことであった。
 地方税徴収は、昨年の金融危機による世界同時不況のあおりを受けると予想され、これからも楽観はできないだろう。いかにして徴収するかということは自治体全体の急務な課題である。
 本稿では、なぜ個人住民税の滞納が増えるのか、その原因と税源移譲前後の滞納状況をふまえ、この状況の中で、自治体がどのように取り組むべきか考えてみる。・・・・・

 

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