堅田 元喜 (著)
出版社 電子書籍出版代行サービス
ISBN 978-4867540299
価格 Kindle 99円(税込)/オンデマンド印刷 5,624円(税込)
発行 2024年10月初版
堅田 元喜
Genki Katata
主任研究員
地球温暖化問題の理解は、20世紀以降の観測や数値シミュレーション技術の進展によって飛躍的に深まった。
だが、そもそも地球温暖化の進行速度は、どの程度正しく観測されているのか?
地球温暖化は、人間や生態系に対してどのような悪影響をもたらしたのか?
逆に、地球温暖化で気温が上がったことによる好影響はなかったのか?
その裏で進展してきたテクノロジーは、地球温暖化による悪影響の前では無力であったのか?
気候シミュレーションは、過去の気候変動やその影響を完全に再現できているのか?
そして、地球温暖化問題にはどのような性質があり、どのようにすれば解くことができるのか?
本書では、これらの疑問に対する答えを多様な分野の科学的知見や過去100年以上続いている観測データの丹念な分析から見出し、地球温暖化が進んだ未来で何が起こるかを考える。
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はじめに
第1章 地球温暖化とヒートアイランド
日本の地球温暖化量は過大評価
地球温暖化とヒートアイランドの見分け方
日本の気温は、地球温暖化で何℃上昇したのか?
水田が減少すれば日本の気温も上昇する
ヒートアイランドが北極域の都市をより温暖にしている
世界各地の気温データに残留するヒートアイランドの影響
今なお続く真の地球温暖化速度のモニタリング
世界は今でも地球温暖化の科学を「査読」している
第2章 自然変動と20世紀の温暖期
ダイナミックな太陽活動が過去の気温上昇をもたらしたのか?
100年前に起きた20世紀前半の温暖化現象の謎
20世紀前半の中国の気温も、現在と同じくらい高かったのか?
江戸時代にもあった現代に匹敵する猛暑年
第3章 地球温暖化とエアロゾル
エアロゾルによる地球冷却効果
森林火災と産業革命以前の地球の冷却化
過去の陸地改変と気候変動
第4章 異常気象と極値統計
極値統計学
ヒートアイランドによって増大した猛暑日数
過去100年間の日本の大雨増加率
期間が短いほど多くなる日本の大雨日数
米国で起こったヒートドームは気象現象
第5章 温暖化が進んだ世界
温暖化の好影響を享受し続けてきた北極域の都市
世界の熱関連死亡と適応
東京では寒さが和らぎ寿命が延びた
第6章 化石燃料技術とCO2施肥効果
イノベーションと緑の革命
化石燃料技術は陸上生物の生息域の保全に役立っている
農業におけるCO₂の有効利用
技術革新の裏にあったCO2施肥効果の恩恵
第7章 過去の気候変動と都市農業
寒暖の繰り返しで起こる農業被害
江戸東京野菜のイノベーション
気候変動と江戸東京野菜
練馬ダイコンの温暖化への適応
気候変動のリスクを超える都市農業の適応能力
品種改良と温暖化への適応策
第8章 海面上昇と地盤沈下
地盤沈下の歴史と海面上昇
世界沿岸の相対的海面上昇
海岸保全計画に含まれていない地盤沈下問題―東京都の例
第9章 科学技術で環境問題は解決するのか
地球温暖化と「厄介な問題」
水環境の順応的管理
オランダの厳しい窒素排出規制は妥当なのか?
実態把握が欠如しているオランダの窒素汚染対策
オランダ国民に選ばれた農民政党
花粉症対策も「厄介な問題」?
おわりに