イベント開催報告 エネルギー・環境
■ 日時:2026年2月17日(火)10:30~12:00
■ 会場:キヤノングローバル戦略研究所
■ 言語:英語
■ 形式:対面のみ
| 10:30-11:10 | Kammen教授講演 |
| 11:10-12:00 | 参加者によるディスカッション |
米国のトランプ政権の政策動向や、それによるエネルギー政策への影響を概観した上で、社会的に公正なエネルギー開発の可能性について、具体例とともに論じた。特に、再エネの導入による電力の需給バランスの変化(昼間の供給過剰、等)に対し、電力大手等の既存のステークホルダーの経済的な利害枠組みにとらわれず、革新的な技術やマーケットソリューションを用いて、より多くの人が、より安価に、より安定して電力を得られるようにするための工夫が重要であることが主張された。そのための議論を促進するような学際的、分野横断的な対話と、電力インフラを分かりやすくモデル化したソフトウェアのオープンソース化などの取り組みが紹介された。また、原子力については、今後の中国や韓国での大型炉の建設コストの動向が形勢を左右するとの見方が示された。
ディスカッションでは、生成AIの台頭による米国や世界のエネルギー問題やエネルギー政策への影響、トランプ政権および今後の米国の再生可能エネルギー政策の見通しなど、参加者からの幅広い問題提起による議論が行われた。
特に、小型モジュラー炉(SMR)開発について、原子力技術の価値を大きく変える可能性を有するのではないかとの会場からの意見に対し、カンメン教授は大型軽水炉技術の課題を分析した上で、小型化によって何が解決しうるか、冷静に吟味することが重要との見方を示した。具体的には、廃棄物問題や安全、核不拡散や核セキュリティ、そして規制をめぐる問題について、小型化やモジュラー化によって完全に解決しない可能性がある、と述べた。昨今のSMR開発の過熱は、投資ブームという一面があり、「小型化やモジュラー化は、社会全体にとっての問題より、投資家にとっての問題を解決している可能性」が指摘された。
さらに核融合について問われ、核分裂による発電と異なり、廃棄物問題や核不拡散、核セキュリティ、安全に関わる問題が抜本的に解消される点を評価すると述べた。加えて、そのような特性によって、宇宙空間での利用など、複数の “killer application” つまり核融合でなければ対応できない、需要の大きい用途が存在することから、技術的課題さえ乗り越えられれば、期待の大きい技術である、との見方が示された。
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Daniel Kammen教授ホームページ
https://kammen.berkeley.edu
Renewable and Appropriate Energy Laboratory(RAEL)
https://rael.berkeley.edu
John Hopkins University Homepage: https://engineering.jhu.edu/faculty/daniel-kammen/
Interview at JHU: https://energyinstitute.jhu.edu/rosei-researcher-qa-daniel-kammen/