イベント開催報告  エネルギー・環境

池田学園池田中学・高等学校 東京科学研修

2026年2月16日(月) 開催
会場:キヤノングローバル戦略研究所 会議室

地球温暖化


2026年2月16日、学校法人池田学園池田中学・高等学校(鹿児島県鹿児島市)の生徒10名(高校1年生)が、東京科学研修として、堅田元喜主任研究員を訪問しました。

この研修は、同校の池田由實理事長・校長が推進する科学技術人材育成スーパーサイエンスハイスクール(SSH)プログラムの一環で行われました。今回は、生徒たちから2つの研究発表が行われました:

  • 「桜島の連続噴火に先行する温泉水の組成変化」(地球科学班)
  • 「江戸幕府の天文観測「霊憲候簿」で江戸時代の気温の復元を試みる」(科学思考班①)

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発表スライドは英語で作成されていて、いずれの発表もクオリティが高く、大学生にも引けを取らないと感じた。堅田主任研究員からは、基本的な統計分析の考え方をはじめ、データの見方や研究内容そのものに対する多くの助言なされた。

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生徒たちの発表の後、堅田主任研究員から最新の研究成果に関する報告があった。世の中で報じられている地球温暖化による気温上昇には、都市熱(ヒートアイランド)が観測所周辺の気温を上昇させる効果が含まれている。そこで、過去に小学校や市役所で行われてきた気温観測資料を探索し、この影響の少ない『田舎』の地点を抽出した。田舎地点の気温の変動傾向は、1900年代から一貫して上昇を続けてきたCO2濃度とは異なることがわかる(図1)。エアロゾル冷却効果太陽活動などの影響も受けながら、気温は複雑に変化してきたことを解説した。地球科学は本質的に複雑系なので、「あらゆるものを疑うべし」という精神で丁寧にデータを見なければならないとレクチャーしていた。

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図1 過去100年間の日本の田舎を対象に復元した年平均気温偏差の観測結果と気象庁による発表値(Katata et al., 2025を修正)。青線は、田舎地点の11年移動平均値であり、数十年単位で寒暖を繰り返してきたことがわかる。

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終了後、堅田主任研究員からは、「少しコメントするだけで大きな手ごたえがあり、理解力・吸収力の高さを感じました。中学・高校のうちにデータを触っているという経験の賜物なのでしょう。数値シミュレーションばかりがもてはやされますが、昔の日本人が多大な労力をかけて残してくれた『お宝』(資料)を発掘しながら、楽しく科学のプロセスを学んでほしいですね」という感想がありました。

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以上