イベント開催報告  エネルギー・環境

「地球温暖化と農業」ー京都市立西京高等学校附属中学校 東京研修旅行における企業・大学訪問対応

2024年12月4日(水) 開催
会場:キヤノングローバル戦略研究所 会議室1

エネルギー・環境 農業・ゲノム

2024年124日、京都市立西京高等学校附属中学校の生徒4名(中学3年生)が、同校の東京研修旅行(東京フィールドワーク)での企業・大学訪問の取り組みの一環として、堅田元喜主任研究員を訪問しました。

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このフィールドワークでは、生徒自身が社会実証的な仮説と実証を行い、そこから多様な知見を得て未来社会に関心を持つことを目的としています。今回は、農業と地球環境を題材に率直な意見交換が行われました。

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当初、生徒たちが世の中に溢れるさまざまな記事から20年後の日本の農業の姿を想像し、次のような仮説を立てていました:

「温暖化した地球でも適応できる農業を行い、現在の収穫量を維持する。さらに新たな技術革新に、温暖化を利用した農業を行い、食料自給率の増加を達成することで私たちの食の未来は明るいものとなる。」

堅田主任研究員は、この仮説に対する答えを教えるのではなく、「ものを言うためには、データを見なければいけない」という考えの下、以下のような「素朴な疑問」を提示しました:

  • 地球温暖化は世界最大危機であり、適応が必要なのか
  • 世界は、地球温暖化によって食糧危機にあるのか
  • 20年後までに努力すれば、脱炭素が進み温暖化を止められるのか
  • 地球温暖化は、世界最大の危機なのか
  • 日本の農業は危機的状況であり、20年後はさらに危なくなるのか


これらの疑問に対して、生徒たち自らが英国オックスフォード大学の運営する国際統計サイト「Our World in Data」にアクセスし、「世界各国の多種多様な統計データを見ながらどのように実態を読み取るのか」を体験してもらいました。過去100年間の世界の人口、気温、CO2排出量、農作物の収穫量、貧困率などの変化を見ていくうちに、当初の仮説を大幅に修正しなければならないという考えが強まっていったようです。

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終了後、堅田主任研究員からは、「データを一緒に眺めているだけで、生徒たちの間に自然と議論が巻き起こるのが印象的でした。地球の未来を担う若者達の旺盛な学習意欲に感心するとともに、私にとっても大変有意義な時間でした。生徒たちの完成版のレポートが楽しみです」という感想がありました。