イベント開催報告 エネルギー・環境
開催趣旨
原子力発電に関する法的問題は多いが、中でも、科学技術と法のあり方が重要な論点となってきた。例えば、裁判官が科学的な証拠を正しく評価できるか、科学技術の専門家の意見が対立した際に裁判官はどのように判断すべきかなどが議論されてきた。もっとも、これらの議論は、裁判官という判断主体に着目してきたものであり、科学技術が重要な争点となる場合には、「制度」として、どのような仕組みを用意するべきかという議論も必要である。
そこで、日本固有の争訟法である、原子力発電所の差止訴訟において、原子力専門裁判所の設置は可能かという論点を例にとって、民事訴訟法の専門家である佐瀬裕史氏を招いて解説してもらう。
ウェビナー概要
原子力発電所の差止めや設置許可取消訴訟においては、科学技術的な知見が必要となるため、原子力専門裁判所の設置が1つの解決策となりそうである。しかし、原発関係訴訟の数の少なさや、特許等と比較した際の専門性の程度から見ると、裁判所が自律的に運営する制度の一環として、原子力専門裁判所が実現する可能性は低く、政治的・政策的な手当てが必要である。
プログラム
ProgramPDF:224KB
発表資料
佐瀬氏発表資料PDF: 390KB