イベント開催報告  エネルギー・環境

CIGS エネルギー環境セミナー 「英国の『クリエイティブ産業』政策:知識社会におけるイノベーション戦略」

2017年4月10日(月) 16:00 ~ 17:30 開催
会場:キヤノングローバル戦略研究所 会議室3

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(左から木村氏、芳川氏)

開催概要
題目:「英国の『クリエイティブ産業』政策:知識社会におけるイノベーション戦略」
発表者:木村 めぐみ(一橋大学 イノベーション研究センター 特任講師)
モデレーター:芳川 恒志 (キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)


開催趣旨
 今回のセミナーはエネルギー・環境の外から、イノベーション政策のベスト・プラクティスを探ることを目的とした。
 英国の「クリエイティブ産業」政策は、1997年に発足したブレア政権下で文化・メディア・スポーツ省(Department for Culture, Media and Sport:DCMS)が開始した政策である。ブラウン政権期以降には、ビジネス・イノベーション・技能省(Department for Business, Innovation and Skills:BIS)とDCMSを中心に、全省庁横断的に進められ、間もなく開始から20年目を迎える。同政策は、知識社会における競争戦略として位置付けられる政策であり、質の高い知識を創造し、連続的イノベーションを実現することによって、国際的に競争優位性を有する人材や組織を育成、支援する政策である。つまり、「クリエイティブ産業」とは、特定の産業や業界を表す言葉ではなく、産業社会、情報社会を経た知識社会において、英国の労働者、企業が目指すべき理想像を示す概念である。
 角度を変えてみると、英国は同政策を通じて、(1)文化産業やデザイン、広告、ソフトウェア業界の実態から将来的な課題や戦略を導き出しながら、(2)大学や産業に蔓延する知識社会特有の問題(C.P.スノーの「二つの文化」やジリアン・テットの「サイロエフェクト」など、日本で言えば、文系理系問題に該当する問題)を解決しようとしてきたのである。
 本来「新結合」を基礎とするイノベーションの加速を目指す政策は、明確な問題意識と現実を踏まえた戦略等が必要であり、目的を達成し維持することはきわめて難しい。「クリエイティブ産業」政策は、現代知識社会における1)競争、2)問題及び3)働き方それぞれの変化にいち早く対応しようとした政策として位置付けられ、まさにイノベーションが求められているエネルギー・地球温暖化分野にも多くの示唆を与えるものと思われる。


プログラム
ProgramPDF:326KB


発表資料
木村めぐみ氏発表資料PDF:9,011KB


発表者紹介
木村 めぐみ
 一橋大学イノベーション研究センター特任講師。2007年慶應義塾大学文学部史学科西洋史専攻卒業(史学)、2009年名古屋大学大学院国際言語文化研究科国際多元文化専攻メディアプロフェッショナルコース博士前期課程修了(学術)、2012年同・博士後期課程単位取得退学、2013年博士号(学術)取得。2013年より、一橋大学イノベーション研究センター特任助手、2015年より現職。専門は、創造性とデザインのマネジメント。