イベント開催報告 エネルギー・環境
2017年2月23日(木)
16:00
~ 17:30
開催
会場:キヤノングローバル戦略研究所 会議室3
開催概要
題目:「電力システムにおける再生可能エネルギーと原子力の共生」
発表者:藤井 康正(東京大学大学院 工学系研究科原子力国際専攻 教授)
モデレーター:芳川 恒志 (キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)
開催趣旨
電力市場における政策目標には、低廉で信頼性の高い電力供給の保証、温室効果ガス(GHG)排出削減等の環境目標の達成がある。これらの目標の達成に向けて、世界的にも2つの大きな変化、即ち電力市場の自由化と再生可能エネルギーの大量導入が進行中である。再生可能エネルギーを利用した発電には様々あるが、太陽光発電と風力発電は資源量ポテンシャルが大きく、技術進歩があれば将来コストの大幅な低減の可能性もあり、大きな期待が寄せられている。しかし、太陽光発電と風力発電は自然変動電源とも呼ばれ、出力が日時、天候、季節に左右されるため、これらの電源の大規模導入には、電力システムの柔軟性を高めることや、さらには大量のエネルギー貯蔵の実現などの技術的に本質的な課題がある。
本セミナーでは、これらの課題を明示的に考慮した最適電源構成モデルを用いた定量的なシミュレーションや解析に基づき、余剰電力を活用した各種燃料生産やエネルギー貯蔵などの経済的観点からの実現可能性や、ベースロード電源である原子力発電との競合や協調運用について考える。
プログラム
ProgramPDF:316KB
発表資料
藤井康正氏発表資料PDF:4,878KB
発表者紹介
藤井 康正
東京大学工学部電気工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了、博士(工学)。平成5~11年、横浜国立大学工学部 電子情報工学科 助手、講師、助教授。この間、平成7年4月29日~平成8年4月27日、International Institute for Applied Systems Analysis(オーストリア)研究員。平成11~20年、東京大学助教授(大学院工学系研究科電気工学専攻、大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻)。平成20年4月から東京大学教授(大学院工学系研究科原子力国際専攻)。大規模線形計画法やマルチエージェントシミュレーションなどのシステム工学的手法を用いたエネルギーシステムの解析に関する研究に従事。電気学会、エネルギー・資源学会、計測自動制御学会、日本原子力学会、日本エネルギー学会、IEEEの会員。主な著書は「エネルギー論」、藤井康正、茅陽一、岩波書店、岩波講座「現代工学の基礎」。