イベント開催報告  外交・安全保障

宮家邦彦研究主幹 講演会 「今後の米国・ロシア・中国関係と日本の安全保障」

2016年11月21日(月) 15:00 ~ 17:00 開催
会場:一橋大学 一橋講堂 学術総合センター2階(東京都千代田区一ッ橋2-1-2)

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左から、福井理事長、宮家氏

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テーマ概要
 米大統領選後も、同国の不健全で排外主義的、大衆迎合的なナショナリズムが消えることはなく、次期大統領は米内政の新たな現実を無視できない。外交面では、過去16年間、米国のパワーが低下したのではなく、米国指導者の「米国のパワーを適切に使う能力」が衰えてしまった。弱体化した母国を立て直そうとしているプーチン大統領は米新大統領の出方を伺いつつ、今後米国をテストしてくる可能性がある。更に、中国も新たな国家戦略に基づくより強硬な対外政策を変化させる可能性は低く、来年前半に西太平洋で米国プレゼンスの「意志」をテストしてくる可能性が高いだろう。誰が米国の大統領になるにせよ、今後、米露、米中関係が劇的に改善したり、両国間に歴史的妥協が成立する可能性は低い。日本は、米新政権が日米同盟の枠内でより多くの地域的・国際的役割を拡大するよう求めてくる可能性があることを覚悟すべきだ。


宮家 邦彦 略歴
 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹/立命館大学客員教授
 1978年東京大学法学部卒業後、外務省入省。カイロ、バグダッド、ワシントン、北京にて大使館勤務。本省では、外務大臣秘書官、中東第二課長、中東第一課長、日米安保条約課長、中東局参事官などを歴任。2005年、外務省退職後、株式会社外交政策研究所を設立。2006年立命館大学客員教授。2006-07年安倍内閣「公邸連絡調整官」として首相夫人を補佐。2009年4月よりCIGS研究主幹(外交安保)。