外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

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2026年6月19日(金)

デュポン・サークル便り(6月19日)

[ デュポン・サークル便り ]


ワシントンは・・・暑い日が続いたあと、突然の雷雨を境に涼しくなる・・というサイクルが無限ループのように続いています。そんな中、私は息子を連れて、大学見学ツアーのため、ボストンに3泊4日で行ってまいりました。私が初めて「アメリカ生活」を経験したボストンに息子を連れて行く、というのは、なんとも言えない感慨がありました。息子も、ボストンの大学をいくつか見学して、ようやく大学進学に向けてエンジンが少しかかったようです。日本の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

いやぁ、それにしても先週から今週にかけてのアメリカでは内政に外交、さらにスポーツと話題が尽きませんでした。ワシントンでの最大の話題は、もちろん、今日ぐらいから発効しているはず(?)の米・イラン停戦MOUの行方。なんといっても、アメリカとイラン両政府がいったいどんな合意に署名したのか、合意文書が公開される気配が全くないので、「いったい、どうなってるの?」という空気が絶賛蔓延中でした。そんな中、全米メディアがすっぱ抜いたいわゆる「了解覚書(MOU)」の内容を見ると・・・控えめに言っても、あれだけトランプ大統領自身が「史上最低の合意」とこき下ろしていたオバマ政権時のJCPOAと大して変わらないではないか!という評価で、むしろ「100日間もドンパチやってこれですか?!」という評価の方が大勢を占める、ヘタレな内容。さらに今回のMOUの問題は、合意のあちこちに「アメリカとその同盟国は」とか「中東のアメリカのパートナーは」などの言及はあるものの、これらの国にとっては、今回の軍事行動は、そもそもアメリカが「勝手に」始めた喧嘩です。「自分だけで勝手に始めといて、話をまとめる段になったら、いきなりこっちまで巻き添えにするわけ?」というのが、覚書で間接的に言及されている国々の本音ではないでしょうか。フランスのエビアンで開催されたG7サミットも、いろんな場面で「ぼっち」なトランプ大統領の様子をとらえた画像がSNSで瞬時に拡散、「トランプが大統領になってから、アメリカが外交の舞台でハブられている場面が増えてる」という印象はぬぐえません。そうこうしている間にも、トランプ大統領の支持率は下降を続けており、選挙まで半年を切った共和党議員の悩みは深まる一方です。

が、トランプに振り回され続ける政界をよそに、先週のアメリカで関心を集めたのは6月11日に始まったサッカーのW杯、全米アイスホッケー連盟(NHL)のスタンレー・カップ、そしてなんといっても全米バスケットボール協会(NBA)の決勝。特に、今年はニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンをホームコートにするニューヨーク・ニックスが50ン年ぶりにNBAタイトルを獲得したとあって、今週に入ってもお祝いモードは続いています。これを書いている最中にふと、顔を上げた私の目に飛び込んできたのは、ニックスのNBA優勝についてインタビューを受けるとある超有名コメディアン俳優の姿でした・・・。たかがバスケットボール、されどバスケットボール。でも、超有名コメディアンでもバスケットボールがネタのインタビューにガチに出演、自分が応援していたチームの優勝について熱く語る、というのがまぁ、アメリカらしいと言えば「らしい」です・・・。

そして、バスケットボール以上に各地でいろいろな話題を振りまいているのがサッカーのW杯。予選グループ初戦の日-オランダ戦観戦にテキサス州ダラスに大挙して押し寄せた日本人サポーターが、試合後にウォールマートで秩序正しく買い物する様子が「日本人の民度高すぎ」とSNSでバズりました。また、スコットランドはボストンで予選リーグの試合を数試合こなす予定ですが、このスコットランドを応援すべく、1週間腰を据えて滞在するためにやってきたスコットランド人のサポーターが、ボストン中のパブでビールを飲みつくしたことが話題に。また、ノルウェーのサポーターはエスカレーター上でバイキングのコスチュームを着てパフォーマンスした・・・などなど、毎日話題は事欠きません。全力でサムライ・ブルーを母子ともに応援している我が家では、日-オランダ戦で大興奮。第2戦の開始時間がワシントン時間で真夜中なのが悔やまれます・・・


辰巳 由紀  キヤノングローバル戦略研究所主任研究員