ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2026.08.21
本稿はワーキングペーパーです。
2026年6月にCIGSで、AIバブルについて研究セミナーを開催した。本稿は、そのセミナーの基礎づけとなる論文である。主要メッセージは三つある。一つ目は、汎用性の高い技術が到来すると(例えば、電気、IT、AIなど)、その正の効果が経済社会全般に徐々に波及していく。たとえ将来のどこかの時点で株価バブルの崩壊が予期されていたとしても、その波及過程において必然的に株価バブルが生じる。他方で、正の波及効果の逓減が始まると株価バブルは崩壊する。これらのことが示唆しているのは、経済の基礎的条件の変化が、株価バブルの必然的出現と崩壊を生み出す点である。本分析では、将来のどこかの時点でバブルの崩壊が予期されるもとでのバブル必然性定理を証明した。これはHirano and Toda (2025, Journal of Political Economy)の結果を、経済全体の不確実性があるもとに一般化した結果に対応する。二つ目は、波及過程の特徴は、異なる部門、異なる生産要素が異なる率で成長していく不均斉成長(unbalanced growth)である。このことは、株価バブルを伴う動学経路は、マクロ経済が一時的に、均斉成長(balanced growth)から離れた状況下で生じることを意味する。三つ目は、株価バブルの特徴は、成長率の高い資産、ブームを引き起こしているセクターそれ自身の株価にバブルが乗る点である。この点は、生産性上昇率が低い不動産や土地に乗るバブルとは異なる。
ワーキング・ペーパー(26-013E)General-Purpose Technologies and Stock Market Bubbles