メディア掲載  グローバルエコノミー  2026.01.30

おこめ券でも、消費税ゼロでも「コメの値段」は下がらない…高市首相が"高すぎるコメ"から目を背けるワケ

PRESIDENT Online(2026年1月21日)に掲載

農業政策

高市早苗首相は19日、衆議院を解散すると表明した。選挙の争点は何になるのか。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「自民党も、立憲民主党と公明党が結成した『中道改革連合』も物価高対策として食料品の消費税ゼロを打ち出しているが、これでは争点がない選挙になってしまう。物価高対策に取り組むなら、国民が困っているコメ価格を下げる政策を打ち出すべきだ」という――。

「食料品の消費税ゼロ」は自民党による争点つぶし

各種世論調査で物価高対策が選挙での最大関心事となっている。

高市総理は、今回の総選挙を「高市早苗が総理大臣でよいのかどうか」という高市信認選挙だと言明した。立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」は19日、基本政策を発表し、「生活者ファースト」を政治の原点に据えるとした。

いずれの陣営も物価対策を意識したのだろう。双方とも食料品の消費税ゼロを提案している。対立するから争点なのに、これでは選挙の争点はなくなるのではないだろうか? 単に「高市早苗」が好きか嫌いかだけの選挙になってしまう。圧倒的に高い支持率に支えられている高市総理の思うつぼではないだろうか? これで「中道改革連合」は選挙を戦えるのだろうか?

おそらく高市総理をサポートする人が知恵を出したのだろう。これは選挙の争点をつぶす企みである。高市総理の絶対負けない後出しジャンケンである。「中道改革連合」には、このような策士はいないようだ。

しかし、この2年近く、国民・消費者の関心を集めてきたのは、コメである。24年夏にスーパーの店頭からコメが消え、その後農水省がコメの値段は下がると言ったのに逆に高騰した。コメこそが物価上昇の核心である。202511月の消費者物価指数は2020年を100として113.2。つまり13.2%の上昇である。生鮮食品を除く食料の物価指数は128.328.3%の上昇である。なかでもコメの寄与度は大きく、対前年同月比で37.1%上昇している。


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