メディア掲載  グローバルエコノミー  2025.11.27

高市首相の「食料安保を守る」と矛盾する…鈴木農水大臣が進める"コメの値段を下げさせない"新政策の正体

「お米券」の次は高価格維持政策に突き進む

PRESIDENT Online(2025年11月11日)に掲載

農業政策

25年産米は10%増産したのに、コメ価格が下がらないのはなぜか。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「経済原則からすればコメの値段は下がる。しかし新しい農水大臣のもと、農水省がお米券に続き“コメの値段を下げさせない”新たな政策を進めている」という――。

「お米券」はJAのための政策

JA農協のヘッドである全国農業協同組合中央会(JA全中)会長は11月6日、コメ価格高騰対策として鈴木農水大臣のお米券を「有効な手段だ」と評価した上で、全世帯ではなく対象者を絞る必要があるとの考えを示した。構造改革を進めるため農政の対象を主業農家に絞ることには反対でも、消費者の限定はOKなのだ。

消費者には安くコメを供給することで高米価による需要の減少を抑制できる。高米価を維持することで、農家はもとよりJA農協の金融事業の利益を確保できる(「高市首相が目指す"日本復活"の邪魔になる…鈴木農水大臣の『おこめ券』が日本人をますます貧しくする理由」)。農水省とすり合わせたうえでの発言だろう。JA農協、農水省、自民党農林族議員の農政トライアングルは三位一体だからである。

しかし、これは減反政策で補助金を使って米価を上げながら、納税者(財政)が負担するお米券で一部消費者のために米価を下げるというマッチポンプ政策であることは指摘した通りである。農家やJA農協が利益を受ける反面、国民の大多数を占める納税者や消費者は大きな負担を強いられる。まさに、農政トライアングルという既得権者による、彼らの、そして彼らのための政治である。


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鈴木農水大臣が進める"コメの値段を下げさせない"新政策の正体