4月26日から5月1日の日程で、「脱炭素と中東エネルギー地政学研究会」田中伸男座長(元国際エネルギー機関(IEA)事務局長)と同研究会事務局を担当する芳川研究主幹と筆者はイランの首都テヘランを訪問した。今回の出張は、外務省の研究機関であるIPIS(政治国際問題研究所)の招待によるものであるが、経済制裁下にあるイランが、昨年就任した大統領の下でどのような状況にあるのかを視察し、特に日本ではほとんど報道されないイランのエネルギー政策や脱炭素政策に関する知識を深め、今後のキヤノングローバル戦略研究所(CIGS)における研究活動に役立てることが目的であった。
折しも、現在イランは米国との核交渉の真最中であり、イラン国内ではトランプ政権との間で合意が成立し経済制裁が解除されるという期待が高まっていることが、各研究機関や日本企業代表者との対話で感じられた。今後6月には国際原子力機関(IAEA)によるイランでのウラン濃縮に関するレポートが出ることになっており、この結果が良ければ交渉はさらに前進すると見られる。
今回の訪問で訪れた研究機関は、外務省傘下の政治国際問題研究所(IPIS)、石油省傘下の国際エネルギー問題研究所(IIES)、イラン国会に直結する国会研究センター(PRC)の3つのシンクタンクである。