メディア掲載 エネルギー・環境 2024.11.22
―北極域に限らず世界で観測される「寒さの緩和により寿命が延びる」現象
月刊公明(2024年12月号)に掲載
地球温暖化により人類は、これまで経験したことのない気温上昇のリスクにさらされているという。ほとんどの人は、その原因は化石燃料の燃焼に伴う二酸化炭素(CO2)の排出による温室効果であると考えているだろう。実は、20世紀前半にも現代に匹敵し得る温暖化があったことをご存じだろうか。ETCW(the Early 20th Century Warming)と呼ばれるこの現象は、北極域を中心に地球規模で発生し、100年前から精力的に研究がなされてきた。それにもかかわらず、驚くべきことに最新の知見をもってしても全貌は解明されていない。