ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2023.05.16
本稿はワーキングペーパーです
コロナ禍において、政府は複数回にわたり家計への大規模な給付金の支払いを行った。本研究では、詳細な銀行取引データを用いて、こうした複数の所得ショックに対する限界消費性向(MPC)を推定した。推計の結果、2020年央の特別定額給付のときも、2021年末から2022年初にかけての2回目の特別給付のときも、MPCは0.2程度で安定していたことがわかった。また、MPCの大きさは、個人の資産残高と流動性制約によって変化することがわかった。具体的には、個人の資産残高が少なく、流動性制約が大きいほど、MPCは増加する傾向があった。
ディスクレーマー
分析で用いた銀行取引データは、みずほ銀行と早稲田大学との委託契約によって提供され、個人が特定されないようにマスキングなどの匿名加工などの措置が取られた環境で分析された。本稿で述べられる見解や意見は、あくまで著者のものであり、みずほ銀行のものを反映するものではない。
ワーキング・ペーパー(23-008E)Marginal Propensity to Consume to Two-Time Income Shocks