ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2022.12.22

ワーキング・ペーパー(22-008E)Debt-Ridden Borrowers and Economic Slowdown

本稿はワーキングペーパーです

経済理論

通常の景気後退と比べて、金融危機後は経済成長率が長期間低水準の状態が続くことが知られており、近年では金融危機を引き金にして欧米諸国の経済が長期停滞に陥ったのではないかという可能性が危惧されている。日本においても、バブル崩壊後に失われた20年といった低成長を経験している。本研究では、こうした金融危機と長期停滞の関連性を明らかにすることを目的としており、特に金融危機によって生じた過剰債務による悪影響が長期停滞の原因と考えている。こうした問題意識に基づいて内生的な借入制約を導入したモデルを新たに構築した。金融危機によって返済できない程の莫大な過剰債務を企業が負ってしまうとその企業の借入制約が永続的に厳しくなることを示した。債務の水準によって借入制約の厳しさが変わり得ることを示したのは先行研究にない重要な特徴となっている。多くの企業が過剰債務に陥ると経済低迷が長期化する。長期停滞から脱するには、早期の不良債権処理が必要となる。


本ワーキングペーパーは、ワーキング・ペーパー(18-003E) 「Debt-Ridden Borrowers and Economic Slowdown (Latest version)」を改訂したものです。

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ワーキング・ペーパー(22-008E)Debt-Ridden Borrowers and Economic Slowdown