コラム  国際交流  2022.07.13

最高裁判所とアメリカの分断:「分断」の性質をディープ・ダイブ|アメリカ合衆国の本質

米国

アメリカの分断は外から見ると分かりにくくなっている。

ここ数週間でアメリカ社会を分断する価値観の対立が劇的な形で表面化した。「価値観の対立」と言うと一見分かりやすいが、どの人たちがどんな価値観で、どんな合衆国の制度が働いて一部の人の価値観を国全体に当てはめているのかはもう一歩踏み込まないとわからない。

幾度かの悲惨な銃撃事件の後、国民の7割が銃規制を強化するべきだという世論調査結果[1]が示す国民大半の価値観とは真逆に、連邦最高裁判所は銃規制を大幅に弱める判決を下した。ニューヨーク州が公の場で銃を持ち回ることを規制する法律が憲法違反だという判決である。これは国民の約3割が銃規制を強化するべきではない、というごく一部の国民の価値観を代弁するものだった。最高裁のスタンスは、銃を持つ権利は憲法に守られているので、州単位では決められないというものだった。憲法違反なら仕方がないかと思う人がいるかもしれないが、実は裁判所による解釈の幅が広く、実際の文章を読むと武装して身を守る権利というのが「集団的自衛」の話なのか「個人の自衛」なのかが曖昧なのである。[2]そして合衆国独立記念日の7月4日にシカゴの郊外でまた銃乱射事件が起こった。

624日、連邦最高裁判所は、人工妊娠中絶を容認する1973年の最高裁判所の判決は「大きな間違いだった」というショッキングな序文でその判決を実質的にひっくり返し、ミシシッピー州が独自の妊娠中絶を全面禁止する法律を合憲とした。ルイジアナ州での類似の中絶禁止法には禁固10年、罰金10万ドルで、暴行などを含めてどんな例外も認めず、年齢制限すら無いという非常に厳しい州の法律が発動したために、人々の生活が突然、一変することになる。ギヤロップの世論では20225月の時点で、実に85%が妊娠中絶を「無条件に合法、或いは条件付きで合法であるべき」という考えの人たちに対し、どんな「条件でも違法であるべき」と答えた人たちは13%だった。[3]憲法には人工中絶は権利であるとは書いていない。しかし、実質的には最高裁判所は女性から人権と自由を取り上げ、この大事なことを決めるのは州単位のマターであるというスタンスを取った。早くも悲惨な境遇で暴行を受けたり、体内の胎児が亡くなった状態であっても摘出のプロセスが人工妊娠中絶と同じなので医療措置を受けられない女性たちが別の州へ移動して医者にかかるという壮絶な体験談が出始めている。数多くの企業も、社員が人工中絶を求める場合は他州への移動コストを支払うと表明しており、グーグルはGoogle Mapで産婦人科へ訪問する人の移動データ履歴を保持しないという措置もとった。様々なところで巻き起こったデモでは、女性より拳銃の方が権利が守られているというのは一体どういうことなのか、というプラカードもあった。

いずれも非常に少数の人が持つ価値観を最高裁判所判決擁護しているのである。

現状は、アメリカの根底を流れるいくつかの本質的な力学を表している。アメリカ型民主主義で少数派の価値観をいかにマジョリティーの弾圧から守るか。大統領行政と議会、法定の権力のチェック・アンド・バランス、州と連邦政府のパワーバランス、人口が少ない州と多い州の価値観の違いと勢力争い、宗教的価値観と国政の独立性、そして合衆国設立以降の人権に対する考え方の進化、などである。

ちょっと歴史を遡ると、最高裁判所は大事な人権マターを州単位で決めるべきだという考え方を当てはめた判決を下してきた。南北戦争より前にあった奴隷制度を容認する南部の州と、反対する北部及び西部の州の対立時に、1957年の判決で、奴隷制度が合法かどうかはあくまで州単位で決めるべきであり、連邦政府には奴隷制度を規制する権限が無いという判決を下した。ちなみにこの判決には「アフリカ出身の人やその子孫は、例え奴隷の身であっても自由の身であっても、アメリカ国民とは見なさないので連邦政府の法廷で訴訟を起こすことは不可能である」というショッキングな判決を出している。[4](この判決は最高裁判所が下した歴史上、最も悪い判決だったというのが多くの学者の見解である。)このタイミングでのアメリカ合衆国の人口は、奴隷制度がなかった北部の州の合計が約6割で、奴隷制度があった州の南部の合計が約4割だった。[5]

つまり、歴史的にも多数決で多くのことが決まる政治制度とは異なるロジックで連邦最高裁判所が動くということが多々あったわけである。

これは世論に左右されない終身雇用の最高裁判官が下す判決が、大統領と議会という政治家が仕切る部分に対してチェック・アンド・バランスを取れている証拠で、アメリカ型国家が設立された趣旨に沿った想定内の結果なのだろうか?それともチェック・アンド・バランスが正常に機能していない状態で、一部の少数の価値観で国全体を拘束するという立国の設計上、想定外の結果なのだろうか?

日本の報道では、これらの最高裁判所の判決は6人の保守派の最高裁判官が3人のリベラル派裁判官の反対を多数決で上回った結果の判決だと説明しており、当時のトランプ政権が任命した3名の最高裁判官の影響だと解釈されている。なぜこのような構図になっているかということも少し掘り下げて紹介したい。そこでまずはアメリカのいくつかの分断について紹介したい。ニュースでは「分断」と簡単に伝えられることが多いが、具体的にどことどういう分断なのかという情報も理解に役立つからである。

なぜ日本にとってもアメリカの最高裁判所が大事なのかというと、実は最高裁判所がアメリカの環境保護省に対しても先日、判決を下しており、これはアメリカ連邦政府の大統領行政機関である環境保護省は排出規制を独自に設けることはできないという判決である。立法は議会のみの権利と役割であり、大統領行政機関は議会で詳細に定められた範囲を上回る影響がある法律を作る権限がないという驚きの判決なのである。これについてはまた次のコラムで詳細を紹介したいが、このロジックだと金融や貿易など、あらゆるアメリカの中央省庁は極めて限られた領域でしか規制をかけられないということになる。[6]環境保護省の件では、アメリカのバイデン政権が広範囲な環境規制を設けられなくなるということで、そうなると人口が少ない州が圧倒的に有利な議会でしか環境規制は定められず、支持基盤の人数が過半数を大きく下回る共和党の強い影響力のせいでアメリカは排出規制を立法できなくなる。グローバル規模で急速に進む気候変動への対応措置を迫られる日本は欧州やアメリカの制度とどのように付き合っていくのか、そして各国からのプレッシャーを受けてどのように国内調整を進めて戦略をとっていくのかが今後大事な局面に入ってくる。そこでアメリカ国内でどのように物事が決まっていくのかを理解する必要があり、政党政治や大統領、議会だけではなく、最高裁判所の役割の理解も重要になってきている。

また、日本は人権などに対する理解は欧米の考え方を取り入れたり、少なくても十分研究して理解してから自らの道を選ぶことが多いが、アメリカがどのように動いていくのかも、アメリカ国内の政治力学の一部として最高裁判所の役割と構造を理解しなくてはいけない時代に突入した。

アメリカの分断の姿

まず、アメリカの価値観の分断について深掘りしよう。

中絶を合法とするべきかというPew Researchの2022年3月の世論調査では、様々な人口の分け方区分を見ても、そのほとんどで過半数が合法とするべきだと答えている。性別、年齢、人種、教育、そして宗教で分けると、唯一合法にすべきではないという意見が過半数なのは非カトリックのキリスト教信者で、その中でも白人の福音主義のキリスト教の人が大きく過半数を上回っている。非カトリックの福音派ではない人たちは極少数である。福音主義というのは、ローマの方法と教会が世界中を統治するカトリックとは異なり、比較的分散化された教会が多い。神の教えは教会経由ではなく、直接聖書から普遍的な真実が伝えられているという考え方が根底にあるが、実際には個別の教会に所属してそこで毎週末牧師の話を聞くというパターンが多い。

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今度は政党別に見てみよう。そもそも中絶に対して共和党寄りの有権者は「ほとんど、あるいは全ての場合において違法にするべき」と考えている人が過半数を占める一方で、民主党よりの人は圧倒的多数が「ほとんど、あるいは全ての場合において合法にするべき」と考えている。

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ただ、そもそも人数が異なることも念頭におかなくてはいけない。

20216月の時点で民主党に登録している人の数は約4900万人で共和党が3600万人である。(無所属は3000万人だった。)[7] したがって中絶禁止を州単位で決めるべきだと判断した最高裁判所は、かなり少数の人々の意見を擁護していたのである。

次は銃規制に関する世論調査だが、2015年から起こったいくつかの大きな銃撃事件後、銃規制を強化するべきか否かという問いに対する答えである。近年は平均3割程度の人しか規制強化に反対していなく6割から6割5分程度が規制強化を支持している。多数決の話だったら間違いなく、3分の2近くが銃規制の強化を求めているわけである。最高裁判所の判決はこれらの世論とも逆行している。

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Source: https://www.statista.com/statistics/1311086/support-stricter-gun-laws-us/

データ地図で見るアメリカの分断

まず、6月の最高裁判所の中絶を容認する法律は違憲だという判決に対して、すでに州レベルで中絶を禁止する法律を準備していた複数の州では1ヶ月以内に新しい法律が発動することになっている。それらの州が下記の地図では赤で表示され、これまでの州レベルの審議と共和党知事や議会のスタンスを踏まえると、中絶を違法とする可能性が高い州がオレンジである。中絶を人権として捉えて合法とする州はピンクである。

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Source: Washington Post

上記の地図は下記の2020年の大統領選挙結果の地図と結構似ている。赤がトランプ支持で、青がバイデンを支持した州である。

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Source: https://en.wikipedia.org/wiki/2020_United_States_elections

下記の2016年の選挙結果の地図とも似ている。青がクリントン支持で、赤がトランプ支持である。

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Source: https://en.wikipedia.org/wiki/2016_United_States_elections

簡単に言ってしまうと、要するにアメリカの南部から中部の一部と北西の内陸の方がトランプ支持であり、共和党の基盤が強いところが中絶を違法にする価値観が強く、州レベルでそのような規制を設けるというわけである。

次は銃の所持と銃規制である。まずは銃の所持を見てみよう。 濃い色ほど家庭単位での銃の保持率が高い。こちらも共和党やトランプ支持、及び中絶を違法にする州と被っている。

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Source: Abbasi786786, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

さらに銃規制をみると、下記の地図では無規制ほど色が濃い。銃の保持率が高いところと無規制のところが結構被っており、こちらも共和党エリアである。

fig08_kushida.jpgSource: https://www.statista.com/chart/20047/gun-carry-laws-in-us-states/

上記の地図の灰色の州は、公に銃を持ち歩くのは禁止され、隠し持つにはライセンスが必要とのことだが、これらは最高裁判所の判決によると違憲ということになる。

支持政党別に銃の保有率をみると、共和党支持者の方がかなり持っていることが分かる。そもそも政治が嫌いで支持政党が無い無所属層も結構銃を持っている。

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Source: https://www.statista.com/statistics/249775/percentage-of-population-in-the-us-owning-a-gun-by-party-affiliation/

ただ、これらの地図や、割合を表示したデータを見て、アメリカの国民の数がほぼ均等に分断されているのかと思ってはいけないのである。

人口で見ると、共和党支持、銃規制反対、中絶反対の州の住民数はかなり少ないのである。

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Source: https://www.nytimes.com/interactive/2016/11/01/upshot/many-ways-to-map-election-results.html

人口密度が高いところの州と低いところの州での価値観が大きく異なるわけである。これは他にも現れている。

ちなみに価値観の分断は他のところにも現れている。そもそも中絶を毛嫌いする人々はキリスト教の考えの人がほとんどなのだが、彼らはどのくらいいて、どこに住んでいるのだろうか?もちろん、ここまでいくつもの相関関係があると、答えは想像しやすい。

まずは宗教心が強い人たちの地図である。これは特定の宗教ではなく、全ての宗教を表している。南部が際立って高いのが分かる。70%から77%で、カリフォルニアの49%、北東の35%台とは大きく異なる。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

そこで次は自治体別に、最も多く加盟している宗教を載せた地図である。人数で見るとキリスト教が目立ち、南部のサザン・バプティスト(赤)とそのほかの地域のカトリック(紫)が目立つ。灰色はモルモン教である。

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Source: https://www.businessinsider.com/the-religious-makeup-of-america-2015-4

もちろん、上記の地図だけを見ると、カトリックもバプティストもモルモン教も全員、中絶には反対しているとするとアメリカ全土がそうであるという錯覚に陥ってしまうので、複数のデータを見る必要があるわけである。カトリックも、全員が反対しているわけではなく、しかも属している人の数が州によってかなり異なるという二つ上の地図のデータも踏まえた解釈でなくてはいけない。

そして2020年の選挙では、定期的に宗教の集会に集う白人の有権者はトランプに投票した。月一度以上の人は実に71%だった。逆に黒人の場合、宗教の集会に参加する人の90%以上がバイデンに投票した。ここにも大きな分断があり、共和党は白人が基盤になっていることが分かる。

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Source: https://www.pewresearch.org/fact-tank/2021/08/30/most-white-americans-who-regularly-attend-worship-services-voted-for-trump-in-2020/

ちなみにキリスト教以外の宗教で最も多くの従属者がいる地図を見ると下記のようになる。

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Source: https://www.businessinsider.com/the-religious-makeup-of-america-2015-4

ユダヤ(ピンク)、イスラム(緑)、仏教(オレンジ)や、特に無い(灰色)と言った具合である。ちなみにこれは、2010年の時点の宗教法人による自己申告調査である。

下記の地図も興味深い。外国生まれの人の人口割合である。最も高いのが26.9%のカリフォルニア、約23%のニューヨーク、約21%のフロリダで、文化的に南部であるミシシッピーやアラバマは2%、3%台で、北西の内陸のモンタナやワイオミングも2%、3%台である。

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Source: https://www.insider.com/percentage-immigrants-born-outside-united-states-by-state-2018-12

もちろん、上記の地図と相関関係も高いが、因果関係も高いのが下記の難民受け入れの地図である。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

外国生まれが少ない州は難民を最も受け入れていないところである。

所得層も低い。一人当たりのGDPを見ると、ミシシッピー州の39千ドルはカリフォルニアの7万6千ドルの半分に近い。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

最低賃金を見ると、連邦政府が定める最低賃金以下の収入の人の割合が多い。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

驚くことではないが、これらの州は、州が定める最低賃金が、連邦が定める時給$7.50のままである。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

そこで男女の所得格差を見ると、下記の地図では薄い色ほど所得格差が大きい。中絶反対と銃保有、低所得とかなり被っている。中絶が違法となる州に在住する女性は別の州に行って中絶をするという選択肢は他州との所得格差と、男女別の経済格差によってハードルが高まる。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

キリスト教色が強く、中絶禁止は「胎児の命を守っている」という理屈でpro-life(生命尊重)というキーワードを持ち出すことが多いが、矛盾が数多く存在する。アメリカでは死刑制度は州単位で決めることができ、死刑制度がある州は色が濃く、薄い色は死刑制度が存在しない。灰色は現在の州知事が制度を執行していない状態である。中絶を違法とする州は死刑を合法としているわけである。

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Source: https://www.businessinsider.com/50-maps-that-explain-how-america-lives-spends-and-believes-2019-6

このように、アメリカは分断を乗り越えて国民が団結するべきであるという考えは外から見るとわかりやすいが、非常に異なる世界観と価値観が同じ国の中で共存している。

合衆国設立の歴史と異なる文化エリアについて、詳しくはコラムの第4回を参照してほしい。

上記の地図と、下記の地図を見比べて欲しい。下記の地図はアメリカの南北戦争時の地図である。紫が奴隷制度を維持するために合衆国から離脱して独自国家を作ろうとしたいわゆる南部の州で、青が奴隷禁止のいわゆる北部の州である。そして黄色はまだ合衆国入りしていなかった領土である。

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Source: https://mrwaggonerushistory.weebly.com/advantages-of-the-north-and-south.html

上記の幾つもの地図と結構似ているのが興味深い。

ちなみに人々が乗っている自動車のプレファレンスまで異なる。2021年でそれぞれの州で最も売れた車である。南部と中西部はフォードやシボレーの大型ピックアップトラックが売れていて、カリフォルニアや北西部、北東部は日本車である。カリフォルニアとフロリダはセダンであることも特徴的である。

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Source: https://www.edmunds.com/most-popular-cars/

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ここまではアメリカの分断の状況を地図に上乗せしたデータで紹介した。次回のコラムは本質的なアメリカ合衆国の仕組みと最高裁判所の仕組みと政治的な役割について紹介する。

「マジョリティーからの弾圧」を守るべき制度が成功しているからこそ一部の少数の国民の価値観が全体に押し付けられているのか?それとも州単位で物事を決められるのが合衆国の本質なのか?

つづく。。。


[1] https://www.axios.com/2022/06/05/gun-control-laws-poll-prioritize

[2] 憲法の改正二条の文章はこう書いてある: “A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.”
この”right of people”というのが”well-regulated militia(きちんと規制された市民軍)に属するものなのか、そして”people(人々)というのは集団による権利なのか個人の権利なのかなど、解釈に幅がある。この文章を読んで「個人が屋外でセミオート機関銃をおおっぴらに所持して持ち歩く権利が存在し、州単位では規制はかけられない」という解釈にはそう簡単には至らないことは明白である。

[3] https://news.gallup.com/poll/1576/abortion.aspx

[4] https://www.britannica.com/event/Dred-Scott-decision

[5] https://www.cambridge.org/core/books/abs/constitutional-origins-of-the-american-civil-war/chart-of-the-population-of-the-northern-states-and-the-southern-states-17901860/847930ADFADDEFB1ED992DE046923C09

[6] https://www.npr.org/2022/06/30/1103595898/supreme-court-epa-climate-change

[7] https://ballotpedia.org/Partisan_affiliations_of_registered_voters