メディア掲載  エネルギー・環境  2022.03.30

地盤沈下対策で海面上昇へのレジリエンスを高める

一般社団法人 産業環境管理協会 月刊「環境管理」 Vol.58 No.2(2022年2月号)に掲載

エネルギー・環境

沿岸地域の海面上昇というと地球温暖化ばかりが注目されるが、地盤沈下による「相対的海面上昇」もある。地盤沈下は、主に地下水・天然ガスかん水の採取などの人為的要因と地震動・時間経過による圧密などの自然的要因、そしてこれらの複合要因によって引き起こされる。我が国でも、地下水への過度の依存により大都市で深刻な浸水被害が発生し、2011 3 月の東北地方太平洋沖地震時には、地方でも被害が顕在化した。

最近の国内における研究により、ここ数十年の相対的海面上昇の速度は地球温暖化による海面上昇速度と同等もしくは上回っていたこともわかってきた。地盤沈下が進行している地域では、地球温暖化による影響以上の海面上昇が想定されることから、水利用管理などの「海面上昇への緩和策」と堤防増築をはじめとした「海面上昇への適応策」を優先的に進めるべきである。

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地盤沈下対策で海面上昇へのレジリエンスを高める