ワーキングペーパー  エネルギー・環境  2022.03.10

【研究ノート】日本における大雨の長期変動の傾向

エネルギー・環境

要旨

地球温暖化によって大雨が増加しつつあるというが、その割合はどの程度なのだろうか?地球温暖化による気温上昇(地球温暖化量)は100年間で0.77℃というわずかな変化であり(堅田、2020)、その影響を正確に評価することは容易ではない。例えば、100年よりも観測期間が短いデータを解析に用いると、気候変動よりも時間スケールが短く変動が大きい降雨現象を地球温暖化による影響として誤って検出してしまう。このため、日本の場合には50年以下しか存在しないアメダスの降水量データではなく、産業革命以前から継続している気象官署のデータを利用することが望ましい(堅田、2021)。本稿では、地球温暖化による大雨への影響を明らかにするための研究資料として、過去70年間の全気象官署92地点の降水量データ(Fujibe et al., 2013)の長期変動の可視化と増加傾向の有意性を評価する。

目次

1 日降水量の長期変動... 1

2 1時間降水量の長期変動... 3

3 10分間降水量の長期変動... 5

4 まとめと留意点... 8

参考文献... 9

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