ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2022.03.04
本稿はワーキングペーパーです
本稿では、支店やATMの統廃合イベントを銀行利用者にとっての利便性後退を示す自然実験事象として捉え、この事象が現金需要に及ぼす影響を分析する。銀行口座の取引データを用いた実証分析によって、支店やATMの統廃合は、過去の利用者の現金引出額だけでなく、非現金取引も含めた支出・流入総額も同程度に減少させることがわかった。これは、利便性の後退により、利用者が日々の支払いを他行に移した可能性を示唆している。また、本稿では、銀行口座取引データを用いて、ATMからの現金引出に関する事実も整理する。
ディスクレーマー
本稿で用いるデータは、みずほ銀行と早稲田大学の厳密な委託契約により提供されたもので、マスキングなどの匿名加工を施し、個人が特定できないように配慮された環境で分析されている。本稿で述べる見解や意見はあくまで著者個人のものであり、みずほ銀行の見解を反映するものではない。
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