その他  グローバルエコノミー  2021.10.01

【政策提言】コロナ危機下の医療体制研究会提言⑤ ~令和4年度診療報酬改定に向けて~

the Study Group on the Japanese Healthcare Delivery System and Management Problems of Medical Institutions in the COVID-19 Crisis, at the Canon Institute

医療政策 新型コロナウイルス

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<ポイント>

Ⅰ.問題意識

・感染症拡大に対応できる強靭な医療提供体制を構築するため、中長期的な構造改革が必要

・その第一歩を、令和4年度の次期医療診療報酬改定においても踏み出すことが重要

・危機時にこそ改革は進むのであって、危機の収束を待つと結局は改革が先送りされる。したがってコロナ禍のタイミングで以下の課題が取り上げられることを強く期待


Ⅱ.緊急時対応体制の強化

・都道府県知事の裁量により、医療機関を指定し、貢献度に応じて診療報酬を加算可能に

・災害拠点病院において感染症拡大時に対応できる体制整備の上、診療報酬加算

・救急医療の体制強化のため診療報酬にメリハリを導入

・真の急性期病床に対し看護師及び看護補助者配置基準を引き上げ

・回復期の患者を受け入れる医療機関に診療報酬加算

・診療所が通常医療を休止し、発熱外来・往診に切り替えた際の診療報酬加算

・下り搬送を在宅医療に拡充し、その際の在宅医療に診療報酬を加算

・保険医指定の条件として緊急時の協力責務を盛り込むべき


Ⅲ.医療機関間の役割分担と連携の推進

・大病院と診療所の役割分担を推進(紹介・逆紹介の診療情報提供料を増額、初診料の増額)。紹介・逆紹介の質の向上策の検討(外来機能報告制度の活用など)

・急性期病床と回復期患者用病床の適正化(アウトカム評価、急性期対応を終えた病院への診療情報提供料の増額など)

・慢性疾患、精神性疾患については病院から診療所による対応にシフト(診療報酬見直し)


Ⅳ.病床機能の重点化

・医療の質の向上のために、医療の質の高い病院が評価され、在院日数が適正化される1入院当たりの報酬包括払い制度(PPS)導入について検討すべき

・低密度医療を減らすため、入院医療から外来医療に誘導


Ⅴ.より効率的・効果的な医療の実現

・コロナ後もオンライン診療の普及を図る(対面診療との診療報酬格差を是正)。診療報酬以外の費用徴収でオンライン診療が不利になる事態は回避すべき。

・病床調整に寄与するためG-MISへのリアルタイムでのデータ入力に診療報酬加点

・かかりつけの診療所に健康状態を登録する仕組みを導入し、健康状態登録・情報管理のための包括的な診療報酬制度を導入


Ⅵ.保険者機能の強化

・医療の質の評価・向上のため、保険者機能の強化は必須(医療機関からレセプトデータだけでなく、医療のアウトカムを重視した質の評価・向上に関わるデータを収集・分析)

・国民健康保険については、保険者努力支援制度(令和4年から)の充実

・民間の健康保険については、社会保障保険診療報酬支払基金による審査の実効性向上と大規模な健康保険組合の先導的な役割の実現。