メディア掲載 グローバルエコノミー 2018.12.18
日本と米国の物品貿易協定(TAG)交渉が来年1月にも始まる。農業分野で米国が厳しい要求を突き付けてくるとの見方もくすぶる中、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹はインタビューで「厳しい交渉にはならない」と述べ、こうした見方を否定。その根拠として、米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)や、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が近く発効することで、農産物の対日輸出で米国が厳しい競争環境に置かれることへの危機感が募っていることを指摘した。(聞き手=Agrio編集長・菅正治)
TPP11や日欧EPAに大きな危機感
―TAG交渉は日本にとって厳しいものになりそうか。
山下研究主幹 ならない。米国の交渉の地合い、交渉のポジションは弱いからだ。TPP11や日欧EPAが発効することについて、米国は大きな危機感を抱いている。今のままだと牛肉はオーストラリアに完璧にやられてしまう。豪州産牛肉の関税率は38.5%からどんどん下がり、来年4月1日には26%台となるのに対し、米国は38.5%で勝負しなければならないからだ。この10%以上の差は大きく、米国は大きな脅威を感じている。・・・
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日米TAG交渉入りへ、米国を恐れる必要なし-山下一仁・キヤノン研究所研究主幹に聞く-PDF:1.25MB*時事通信社ならびに著者らに無断で本記事、PDF中の記事・画像・写真を転載することを固く禁じます。