メディア掲載 グローバルエコノミー 2016.12.09
TPP交渉によって関税が撤廃されると農業が壊滅するのではないかと農業界は主張した。重要五項目と言われた農産物のうち、米、麦、砂糖、乳製品について関税は維持され、関税が削減される牛肉・豚肉については農家に補助金が交付される。農業へのTPPの影響はほとんどない。しかし、農業界ではアメリカ等が参加するTPPには依然反対の声が強い。
このような中で自民党の農林部会長に任命されたのが、小泉進次郎氏である。かれは肥料や農業機械などの農産物生産資材価格の高さに目を付けた。これらの資材が高いので農産物の生産コストが上昇し、外国農産物との競争力がなくなる結果、関税が必要となる。逆に言うと、資材価格が安くなると、関税が削減されても農家に影響は生じない。TPPへの農家の不安も少なくなる。小泉氏が中心となって調査した結果、韓国と比べさまざまな資材価格が二倍以上することなどが明らかになった。より重大なのは、資材価格が高くなっている理由である。小泉氏がこれに光を当てたことによって、農業改革はさらなる展開を見せることになった。・・・