メディア掲載  グローバルエコノミー  2014.04.11

TPP、アベノミクスと日本農業-減反を廃止させるのは米国?-

時事通信社「金融財政ビジネス」2014年3月31日号より掲載

 高齢化と人口減少で縮小する国内市場を高い関税で守っても、日本農業は「安楽死」するしかない。農業を維持・振興しようとすると、減反を廃止してコメの価格を下げるとともに、生産性を向上させて自由貿易の下で輸出を振興するしかない。減反廃止という報道は誤報だったが、今回の政策変更が予定しているように、米粉や飼料用のコメ生産を増大すれば、小麦やトウモロコシを輸出している米国の利益を損ない、同国から報復を受けるかもしれない。そのときこそ、40年以上続いた減反を廃止できるだろう。



 自民党や国会の委員会は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖などを関税撤廃の例外とし、これが確保できない場合は、環太平洋連携協定(TPP)交渉から脱退も辞さないと決議している。国会議員にとっては、関税維持が国益のようだ。

 しかし、関税で守っているのは、国内の高い農産物(=食料品価格)だ。 例えば、消費量の14%にすぎない国産小麦の高い価格を守るために、86%の外国産小麦についても関税を課して、消費者に高いパンやうどんを買わせている。...

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