ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2014.01.31

ワーキング・ペーパー(14-002E) 「Constrained inefficiency and optimal taxation with uninsurable risks」

本稿はワーキング・ペーパーです

 本論文では、金融市場が完備でない場合に、どのような税体型が望ましいかという問題について分析を行った。主要な発見は、税の厚生効果を保険効果と分配効果に分解できることを示したことである。保険効果とは、税の変化によって引き起こされる賃金や資本の収益の変化が、経済主体が直面するリスクにどのような影響を及ぼすかを測ったものである。それに対して、分配効果は、労働や資本の価格への影響がもたらす経済主体間の厚生の分布にもたらす影響を測る。例えば、労働所得に対する課税は、課税後の賃金の低下を通じて労働者の直面するリスクを軽減するので、保険効果としては、経済厚生を高める働きをする。他方、比較的貧しい労働者のほうが労働所得に対する依存度が高いため、労働所得に課税すると、不平等が増すので、分配効果としては経済厚生を低める傾向を持つ。このように、我々の分解式を用いることによって、どのような条件のもとで、どのような税体型が経済厚生を高めるかを直感的に確認することが可能になることが示された。