Media  International Exchange  2026.05.29

China’s Economy Remains Resilient Despite the Real Estate Bubble Collapse: The Underestimated Strength of China

Strengthened Economic Security Policies Create Headwinds for Japanese Companies Doing Business in China

JBpress on May 21, 2026

China
In light of recent improvements in the translation capabilities of generative AI, we will discontinue the distribution of English translations.
Please translate the text into English as needed when reading it.


中国の不動産バブル崩壊、影響が日本より軽微な理由

中国の不動産市場のバブル崩壊が始まってから5年が経過した。

中国のエコノミストや現地に長期駐在している日本人ビジネスマン等によれば、北京、上海の一部の物件では不動産価格がピークの2021年に比べて約半値に低下した印象だという。

この下落幅は日本で1991年に不動産バブルが崩壊したあと5年間の大都市圏における不動産価格下落幅に近い。

日本はそのあと1997年に金融危機に陥り、日本経済は長期にわたりゼロ成長の時代が続いた。1997年から2012年まで16年間の平均名目GDP(国内総生産)成長率は0%(実質ベースでは0.6%)である。

中国が日本と全く同じシナリオを辿れば、来年、中国は金融危機に陥ることになる。しかし、長期的にゼロ成長となる可能性は低いというのが、中国経済専門家や中国通のビジネスパーソンの共通認識である。

その日中の違いの原因の一つは、中国の大手金融機関の不動産関連貸出比率が低いことだ。

日本で見られた不良債権による金融機関のバランスシート悪化の問題が中国においてはるかに軽微であることによるものである。

これは中国政府が日本のバブル崩壊の失敗の教訓を学び、金融機関に対して不動産関連貸出を厳しく制限してきた成果である。

中国において金融機関に代わって不動産企業に資金を供給してきたのは、不動産を購入する個人や企業、不動産建設を請け負う建設業者、不動産開発資金を提供した地方政府等である。

そうした人々や組織は不良債権を抱えて今後も厳しい状況が続く。一方、金融機関は比較的健全な財務状況を維持できている。

こうした事情から、中国は不動産市場の深刻な長期停滞が続いているにもかかわらず、金融危機により中国経済がゼロ成長に陥るリスクを回避できていると見られる。

ただし、不動産市場の深刻な停滞は、依然として底打ちの時期すら展望できていないため、今後も数年間は停滞が続く可能性が高い。

これが地方財政を悪化させ、インフラ建設や地方の消費に悪影響を及ぼし続ける。これは今後数年間にわたり中国経済の最大のマイナス要因となると予想されている。

中国経済が高めの成長を維持できる要因

中国では不動産市場の深刻な停滞が今後も続く見通しであるほか、少子高齢化による労働人口の減少、都市化の減速、大規模インフラ建設投資の減少などの構造的マイナス要因も中長期にわたって下押し要因となる。

このため、2020年代後半は緩やかな減速が続くことが予想される。

それでもIMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(2026年4月)によれば、2026年から2030年までの中国の平均成長率は3.9%と、米国同2.0%、G7諸国合計同1.5%に比べてはるかに高い成長率を維持する見通しである。

これは、中国の金融機関の財務状態がそれほど悪化していないため、金融機関による資金供給メカニズムが引き続き機能し、競争力の高い産業の発展を促進することができることによるものである。

中国で今後も中長期にわたって好調持続が期待されている産業分野は、半導体・電子部品等のハイテク産業、人工知能(AI)、データセンター、電力関連(発電、送電、変電等)、ロボット、航空宇宙等である。

こうした今後の好調持続が確実視されている産業分野の合計が中国経済全体に占める割合は、中国の著名なマクロ経済学者の推計では約3割程度に達している。

一方、不動産関連産業は推計によって幅があるものの、現在、経済全体の15%程度とみられており、その比率は今後徐々に低下していく。

日本ではバブル崩壊によって金融機関の資金供給機能がマヒし、設備投資が長期的な縮小均衡に向かったが、中国ではそうした現象が見られていない。

その違いが日本と中国のバブル崩壊後の経済成長率の差となって表れている。

日米独のグローバル企業は今年から対中投資積極化の方向

このように中国経済は今後も緩やかな減速が中長期的に続く見通しであるが、成長率を比較すれば、日本や欧米主要国に比べてはるかに高い。

しかも、中国のGDPは2025年時点で日本の4.4倍、2030年には5.2倍に達する見通しである(IMF世界経済見通し2026年4月)。

中国の好調業種合計の規模が中国経済の3割とすれば、それだけで日本経済の約1.5倍の規模に相当する。

その好調業種が今後数年間2桁成長を続ける可能性があることを展望すれば、日本企業にとって大きなビジネスチャンスであり続けることは明らかである。

中国経済の中長期的停滞や成長率の減速といった側面を見ると、今後の中国市場にはチャンスがないように錯覚する。

しかし、好調産業の高い伸びや中国経済の規模を的確に把握すれば、今後も大きなビジネスチャンスが続くことが理解できる。

グローバル市場で高い競争力を持つ一流企業は、日本や米国、ドイツを中心に積極的な対中投資姿勢を維持している。

パンデミック終了後の2023年から25年にかけて、競争力が弱く、中国市場で収益を確保するのが難しい企業は、対中投資全体または一部の分野において縮小・撤退を実施した。

その結果、現時点で中国に残っている外資企業は比較的競争力が高く、収益も確保できている企業の比率が高まった。

このため、競争力の高い外資企業を中心に対中投資は今年から積極姿勢に転じているようだ。その背景にある要因は、中国の好調産業が今後も中長期的に発展し続けるという展望である。

対中経済安保政策が新たな日本企業の逆風に

日本企業の対中投資姿勢は競争力や収益力の違いによって二極分化が明確化している。勝ち組のグローバル一流企業や高い市場競争力が評価されている中堅中小企業は引き続き積極姿勢を保持している。

しかし、そうした企業の一部で最近新たな逆風が懸念され始めている。それは日本政府の経済安全保障政策の圧力である。

経済安全保障政策は以前から実施されてきており、日本企業は軍事技術に応用される可能性がある高度技術を含む製品分野については中国に輸出または投資しない姿勢を徹底してきた。

しかし、軍事技術に直結しない民生品分野については、比較的高度な技術を含む製品を輸出していた。これに対して米国政府は民生品分野でもハイテク分野の製品については対中輸出を制限する姿勢をとっている。

これは米国政府が対中デカップリング政策を重視しているためである。

これに対して、日本や欧州の政府は対中デカップリング政策は現実的ではないとして、民生品分野については米国のような規制をかけていなかった。

米国政府がデカップリング政策を採用しているのは米国企業の対中依存度を理解していないことが主な要因である。

2017年に発足した第1次トランプ政権以降、バイデン政権も含めて、米国政府は、中国経済、米中経済関係に精通した中国専門家を政府から排除したため、対中デカップリング政策が米国経済に与えるマイナス効果を理解する人材がほぼいなくなった。

これが第1次・第2次トランプ政権およびバイデン政権が対中デカップリング政策を推進している要因の一つと見られている。

しかし、対中デカップリング政策を厳格に実施した後、米国企業から強い不満が示されたため、米国企業への影響にも配慮し、一部ライセンスの例外的運用や段階的な政策調整も行ってきた。

最近になって、締め出された「アンドロイド」、「Bluetooth」に対抗して、「HarmonyOS」、「NearLink」をファーウェイ自身が開発した。

中国内では国策として国有企業を中心にこれらが広く採用され、米国企業は市場シェアを侵食された。その品質の高さから、今後グローバルサウスの市場もファーウェイに席巻される可能性も指摘されている。

このため、中国経済に詳しい米国の専門家は、これによって対中デカップリング政策が失敗だったことが証明されてしまったと筆者に対して述べていた。

日本の経済安保政策に求められる現実論への回帰

日本政府はG7諸国の政府の中で、中国経済や日中経済関係の重要性を的確に認識している人材が最も多いため、対中デカップリング政策を実施した場合のマイナスの影響の大きさをよく理解している。

このためデカップリング政策を採用してこなかった。

しかし、最近になって、日本政府が経済安保政策を強化し、米国に同調する形で、軍事技術に直結しない民生用のハイテク技術分野についても対中輸出規制を強化する傾向が見られ始めていると聞く。

2010年頃の中国経済であれば、日本経済とほぼ同じ大きさであり、技術力の面でもほとんどの分野において日本企業の競争力が中国企業をかなり上回っていた。
しかし、その後の十数年間に中国経済の規模は日本の約5倍に近づいた。

加えて、技術力においても、半導体、電子機器等のハイテク産業、AI、ソフトウエア開発、電気自動車、電池など多くの分野において日本企業を上回る中国企業が増えている。

以前の中国であれば、日本の輸出規制に対して、中国が同等の報復措置を実施しても日本企業への影響は軽微だった。しかし、現在の中国は米国が脅威に感じるほどの巨大な存在である。

その中国が日本に対して同等の報復措置を実施すれば、日本企業が受けるダメージは極めて深刻である。巨大化した中国に対する経済安保政策の強化がもたらすリスクは以前に比べて格段に大きくなっている。

これが現在の日本と中国の力関係の現実である。外交政策、経済安保政策は現実を冷静に分析して適切な政策を採用することが重要である。

日本企業は民生品の最先端分野において欧米企業および中国企業と激烈な競争を展開しながら中国市場のシェア確保に注力している。

それは、「中国市場で負ければ世界で負ける」というのが世界中のグローバル企業の共通認識になっているからである。

そうした状況の中で、日本政府による経済安保政策の強化は日本企業の競争力を低下させる影響が懸念される。

これは日本企業の中国ビジネスにとって大きなマイナス要因となる。日本企業の収益力や株価にも影響し、日本経済の持続的発展を阻害する要因にもなる。

経済安保政策の企画立案に際しては、政府内部の中国経済および日中経済関係に精通した人材、あるいは中国ビジネスで好業績を示している代表的日本企業の現実論を参考にして、現実論を踏まえた的確な施策を採用することが必要である。

日本と同様に米国からの圧力を受けながらも中国との経済関係を堅持しているドイツの政府がどのように対応しているかを聴取することも、参考になると考えられる。

G7の中で欧州主要国やカナダでは、すでに米国との関係を見直し、米国依存度を引き下げつつある中で、日本だけが従来の日米関係を維持している。

安倍政権時代の後半は欧州諸国と緊密に連携しながら米中両国とバランスのとれた外交を展開していたため、日本の国際社会における評価が高く、多くの国々から信頼された。

高市政権もこの時の外交姿勢を参考にして、米中欧とのバランスを重視した安定的な外交安保・経済関係を構築していくことを期待したい。