メディア掲載  エネルギー・環境  2024.04.26

直言!エネルギー基本計画(5)G7の「CO2ゼロ」は不可能、日本も「エネルギー・ドミナンス」で敵対国に対峙せよ

「トランプ大統領」復活なら米はパリ協定離脱

夕刊フジZAKZAK2024414日)に掲載

エネルギー・環境

日本のエネルギー供給の8割は、いまなお石油・石炭・天然ガスといった化石燃料である。これを安定的に調達して利用することは、日本のエネルギー政策において最も重要な柱のはずだ。

ところが、現行の「第6次エネルギー基本計画」では、「2030年に13年比でCO2(二酸化炭素)を46%削減する」という無謀な数値目標に合わせるかたちで、化石燃料利用量についても数値目標が極めて低く設定された。結果、燃料購入の長期契約を企業は締結できず、油田・ガス田への事業参加と権益確保もできなくなった。

これでは、戦争や有事などで世界規模の供給不足が起きたときに、法外な高値で化石燃料を買うことになり、最悪の場合は買えなくなる。また、火力発電所は休止・廃止を余儀なくされ、年中行事のように「節電のお願い」が発出されるようになってしまった。

日本のメディア報道の多くは、気候変動によって台風などの自然災害の激甚化が起きていると強調する。だが、これは統計データでは確認されていないフェイクである。また、食料生産が減少すると報じられているが、そのようなことはまったく起きていないことも統計データで明らかである。

結局のところ、「気候危機説」は気候モデルによる不吉なシミュレーションに基づいているのだが、そのモデルとは、過去を再現することすらろくに出来ない代物である。その不吉な将来予測は、到底、額面通り政策決定に使えるようなものではない。

そして、そのシミュレーションを信じるとしても、日本が50年にCO2排出をゼロにすることによる気温低下は0.006度でしかない。

こうして気候変動のリスクなるものを冷静に理解すれば、「50年にCO2排出をゼロにする」という極端な目標を金科玉条として日本のエネルギー政策を定め日本経済を破滅させることは全く不適切である。日本政府が今年検討する「第7次エネルギー基本計画」においては、CO2排出量の目標は不要だ。

パリ気候協定は、「G7(先進7カ国)のCO2ゼロ」という実現不可能な目標のために行き詰まっており、遠からず空文化してゆく。251月に「ドナルド・トランプ大統領」が復活すれば米国が離脱することは確実であり、早ければこれがきっかけとなる。

日本もパリ協定を離脱して、米国とともに、パリ協定に代わる「エネルギー・ドミナンス(優勢)協定」を主導すべきだ。エネルギー・ドミナンスとは、もともと米国共和党の思想であり、安価で安定したエネルギー供給によって、自国および友好国の安全保障と経済発展を支え、敵対国に対する優勢を築く、というものである。

グローバルサウス(新興国・途上国)も、G7の「脱炭素お説教」には辟易(へきえき)している。愚かな脱炭素政策と決別し、エネルギー・ドミナンスを築くことで、自由世界は自滅から逃れ、グローバルサウスを味方につけて、中国・ロシアなどの敵対勢力に立ち向かうべきだ。